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１）『21世紀小売大戦争、いよいよ幕開けか』 最近とみに目にするユニクロのＣＭ。次から次へと大物にフリース着せて、こ れどこまで行くの？という勢いですが、今年は1200万着の販売目標を大幅に上 回るのだとか。これを追うように、ジャスコ、ダイエー、西友などの大手スー パーも低価格でフリースを販売。何と今冬は６人に１人がフリース買うらしい 計算で、まるで国民服なみの普及率です。しかし、フリースごときに日本中の の大手小売業者がわあわあ言っている間に、とんでもない大物が上陸。「今ま でそんな名前知らなかった」という人が多いでしょうが、何と売上高世界第２ 位を誇るカルフール。パリに本社を置き、世界各地でスーパーを展開する小売 企業です。12月８日に千葉・幕張地区に５万1100平方ｍ（！）という巨大な第 １号店を、さらにそれより大きな店舗を大阪府和泉市に来年１月出店予定。 これを追ってドイツのメトロ、イギリスのテスコなども日本の市場を虎視眈々 と狙っている模様。いよいよ21世紀は流通業界でも本格的なグローバル化が進 みそう。日本企業よ、トンビに油揚げをさらわれないよう、がんばって！ ２）『日本の“あした”に期待した“21世紀商品”続々！』 世界中が盛り上がった去年の大晦日。今年はどうかと言うと、欧米などキリス ト教の国ではあくまでも2000年が区切りの年と言うわけで、今年の盛り上がり はイマイチ。それに比べて元気なのが日本だ。サントリーが８月下旬に予約を 開始した限定300本の「ザ・センチュリー40年」は、1本50万円という高額にも 関わらず、売り切れ間近という人気。今後も４大ビール・メーカー各社が出す “21世紀記念ビール”を始め、キッコーマン「21世紀ヌーボー」（21世紀最初 の新酒ワイン:850円）、エビアン「2001年記念ボトル」(かわいい涙型のボトル :850円）、キューピー「2001年記念マヨネーズ」(350円）、江崎グリコ「ジャ イアントレインボーポッキー」（1000円）など、“21世紀記念商品”が続々登 場予定。また、『ウンナンのホントコ』（TBS）の「未来日記」、『未来への 教室』（NHK教育）『未来者』（テレビ朝日）など、TV番組では“未来”と言 う言葉が人気。さらに日本コカ・コーラ「ジョージア」のCMは「あしたがある 〜」と歌う。景気低迷が続く日本だからこそ2001年への思いが強いのだろうか？ ３）『サッカーくじ、キックオフ！』 最高賞金１億円のサッカーくじ「TOTO」が、来春３月の全国スタートに先駆け、 サッカー王国静岡でテスト販売された。J1、J2の計13試合の結果（勝敗及び引 分け）を予想するもので、１等（全試合的中）の確率は160万分の１。20歳未満 は購入できないという理由から販売店の設定も工夫。ガソリンスタンド（運転 免許証を必ず携帯している）や、タバコ屋などで販売し、身分確認を徹底する。 売り上げの半分はスポーツ振興に当てられ、残りの半分が賞金となる。一方、 サッカーくじ発売に合わせて新商売も登場。スポーツデータコーポレーション ではＪリーグの全試合での選手の動きやチーム戦術をコンピューターに登録し、 データを販売するという。さて、今年度の後期優勝を決める最終節のアントラー ズVSレイソル戦には、国立競技場に今季最高の５万399人が詰め掛けた。今季か ら上位チーム同士の好カードを各節に組んだ試みが偶然にも大当たり。興行的 にも上向きの兆しの見える中、Ｗ杯共催を翌年に控えた2001年は「TOTO」効果 でＪリーグブーム再燃となるか？ ４）『進化するコンビニ 「７時から夜11時まで営業だからセブンイレブン」。そんなＣＭを流していたセ ブンイレブンも24時間営業となり、相次いで新しいコンビニエンスストアが登場 した。乱立気味のコンビニにとって、他社と差別化を図る新サービス・商品の開 発は必須だ。今冬、食品では「鍋物」メニューが充実。ちゃんこ鍋（ファミリー マート・380円）などが登場、味も本格的だ。また出店場所もポイント。栃木県の スキー場「ハンターマウンテン塩原」には冬季限定のam/pmが今冬出店する。さら に、am/pmは自販機で商品を売る無人コンビニ「オートマチック・スーパー・デリ ス」を都内の企業や公共施設内に展開。一方、コンビニが重要な販売チャネルで あるメーカーもコンビニで売れる商品の開発に熱心だ。伊藤園は「おーいお茶」 のホット専用ペットボトルを開発。値段は345ml・130円（希望小売価格）と、冷 たいのよりも５円高いが、缶より手に熱さを感じにくいとあって人気だ。コンビ ニの開発戦争は21世紀も続く。 ５）『マンション販売の新しいカタチ』 無印良品の「良品計画」がなんとマンション販売をはじめる。その設計図は、 ほとんど白紙。実は壁紙や床材・収納家具を無印良品のものからチョイスでき る。また間取も購入者が自由に選べる設計。併せて入居希望者が自発的に資金 を出し合い、好きな仕様で建設するコーポラティブ住宅も企画。インターネッ トで入居希望者を募集するという。一方マンションの新しい販売方法として、 リクルートは「マンションオークション」をスタートさせた。今までは抽選や 先着順で、欲しい物件が手に入らず悔しい思いをしたという話もよく聞くが、 オークションの場合は、競り落とすのはまさに経済力の‘実力’。また競り合 いの価格上昇を見込んで当初の販売価格より５％以上安く設定されているので、 競合相手がいなければ安く手に入れることができるのもメリット。オークショ ンだとどんどん値が釣り上がるという印象があるが、支払い限度が分かってい るとむやみに価格は高騰しないんだそうだ。今後主流にはならないだろうが、 販売方法もマンション選びの要素になる可能性は大だ。 ６）『保育園もIT化』 京浜急行線の井戸ヶ谷駅の構内に、「京急キッズランド井戸ヶ谷駅保育園」が オープンした。これまで駅型保育園というのはあったが、構内にできたのは全 国で初めて。京浜急行が直営するこの保育園の売りはアクセスの良さだけでは ない。園内にデジタルカメラが設置されていて、お母さんは子供の様子を携帯 電話の画面で見られるという。実は近頃、このようにネット中継する保育園や 託児所が増加中。今年４月にオープンした目黒の「フェアリーランド碑文谷」 でも各部屋に設置されたカメラを保護者が自宅パソコンで遠隔操作し、子供の 様子を知ることができる。また、こうした需要に応えるようなカメラも登場。 アルファオメガソフトの「WebCam(ウェブカム)」(９万8000円）は映像処理装 置とサーバーを内蔵しているので、パソコンがなくても画像が送れる。このカ メラを試験的に使っているのは渋谷区の保育園「ライフリトル」。将来的には インターネットで授業参観を計画しているのだそう。働くママには嬉しいけど、 終始監視される子供達にとってはちょっと嫌かもね。 ７）『背広レス、ネクタイレスのビジネスシーンに注目』 カジュアルフライデーが日本に入ってきて数年。それがここにきて、連日ノー ネクタイで出社OKの企業が増えている。その流れの原動力となったのが、IT産 業の台頭だ。ネットビジネス、ドットコム企業の増加とともに服装にとらわれ る必要のない職種が増え、取締役代表やCEO自らカジュアルファッションに身を 包んで颯爽と出社。さらに、スーツは着てもネクタイはしないという着こなし も目立ち始め、アパレル各社は新しいビジネスウエアの提案を余儀なくされて いる。まずダーバンは秋冬物から「アンタイドライン」という、ネクタイなし の自由な着こなしの新ラインを発売。オンワード樫山も来春「五大陸」「Ｊ・ プレス」「ICBメン」でネクタイレスのシャツやジャケットを発表する。山陽商 会は来年春夏物から20〜30代向けと40代向けそれぞれに「フレキシブルコーディ ネート」という商品群を設定。住友商事は、家庭で洗っても色落ちや型くずれ しないという形状安定加工を施したシルクシャツなどを出す。さて、こんな現 象に一番とまどっているのが50代なんだとか。でもゴルフウエアは勘弁してね。 ８）『安いだけじゃダメ？』 アウトレット、シアトルコーヒー。安いのに、ブランド品、おしゃれ。これら 最近のヒット商品に共通するキーワード「安さ＋α」に注目したビジネスが登 場している。JR大崎駅前の「ファミリーイン・フィフティーズ」は、今までに ない「グループ向け」格安ホテル。１泊朝食付きで３人１室9000円だ。また以 前レポートしたダイエーの88円ショップの他にもワンプライスショップに新タ イプが登場。池袋サンシャインシティアルパの「サンクデミ」は、ブルガリの 香水などがすべて5500円のワンプライスショップだ。そして安さ+現代人の評論 家精神をくすぐることで注目なのが「言い値の店」。この「言い値の店」、ラ ーメン屋から旅館までその業種も多様。横須賀市「レストラン ロマネ」はマグ ロ料理に言い値を採用し、5000円相当の料理が言い値で平均3500円という。安 さに+αとして何を加えるか。そのαの部分が、新ビジネスの今後の成否を決 定することになるといえるだろう。 ９）『21世紀は「エコロジー」が主役』 缶を捨てる時に、「分別しなくていいのか？」と考える人は多いはず。それほ ど普段の生活にエコロジーの概念が普及している。そんな今、有望産業として 注目を集めているのが「エコビジネス」。具体的には、科学農薬の替わりに自 然界の微生物などを利用する生物農薬があげられる。例えばテントウムシの幼 虫は、アブラムシを駆除するのに使用される。この「エコビジネス」の定着に は、資源が廃棄されずに循環することがポイント。そこで登場したのが、廃棄 物の再利用事業だ。まだ開発中のものもあるが、ホタテの貝殻を使った内装材 やサケの皮の代用皮膚などが登場している。また、鹿島は「グリーンスクエア・ エコカーテンウォール」を開発。これは空調などで都市の気温が上昇する抑制 策として、ビルなどの壁面を緑化するもの。緑としては数cmしか成長しないマ ンネングサなどセダム類を使用している。これもエコビジネスの一つといえよ う。資源循環が進む21世紀は、ゴミ箱の数が半減するかもしれない。 10）『目の付けどころが違う？新リサイクル事業』 価格破壊とともに売上げ低迷が続く流通業界だが、がぜん活況があるのはリサ イクル業界。まずは古着の最大手卸ケンマイク商会。神戸に1000平方ｍもの広 さを誇る総合的なユーズドショップ「キロストア」を秋にオープン。古着はも ちろん50〜70年代の家具や雑貨など２万点を取り揃え、幅広い客層をゲット。 連日大勢の購買客でごった返している。一方、同じリサイクルでも、つぶれる 店舗そのものを転売してしまうという「閉店ビジネス」が登場。東急リゾート は企業の保養所を別の福祉施設や別荘などに転用する事業を、また、建築家や デザイナーらが発足した「サービスステーション再生計画実行委員会」は、ガ ソリンスタンドを別の店舗や施設に転用するためのコンサルタント事業を年内 にもスタートする。テンポスバスターズはセガと業務提携し、リサイクル店に 対し、ドリームキャストを使ったネット上での中古厨房機器の卸売り事業を年 内から始める。どんなに不景気の世の中でも、捨てる神あれば拾う神あり？！ 11）『アーリ・アダプター・マーケティング』 映画配給会社のワーナーが、12月23日公開予定の火星を舞台にしたＳＦ映画、 『レッド・プラネット』の宣伝に、ユニークなゲリラ的プロモーションを展開 中。名づけて「オリジナルデザイン表４ジャックキャンペーン」。原宿のお洒 落なオープンカフェにさりげなく置かれた洒落た雑誌の数々。手に取ってみる と、それぞれデザインは違うものの、裏表紙がすべて『レッド・プラネット』 の広告だ。これは、熱心なファンを持つアートやファッション誌・11誌のデザ イナーが「火星」をテーマに思い思いにデザインしたもの。トレンドに敏感な ファッションリーダーたちが集まる原宿、表参道、代官山等、渋谷近辺のカフェ 16店で集中的に展示している。米国では「EAM(アーリーアダプターマーケティ ング)」と呼ばれ、「口コミ」効果を期待する宣伝手法だ。カフェの口コミが どれだけ威力を発揮するか興味あるところだが、肝心の映画の内容をひとこと。 人類移住計画のため火星に向かった６人の宇宙飛行士たちが遭遇する、想像を 絶する恐怖とパニックを描いたＳＦ。え？ミッション・トゥ・マース２？（笑） 11）『男性禁制でくつろぐ女たち』 男性立ち入り禁止のスポットが、昨年あたりから増殖中だ。女性たちの意見は 「男性の目を気にせずリラックスできる」と歓迎ムードである。この流れを受 けて今年３月、大阪の大丸心斎橋店に百貨店では初めての女性専用フロア「リ ラクシングガーデン」が出現。南館地下１階にある４つのサロンと１階の自然 派コスメショップがそれ。このうち地下１階部分が男性禁制。一方、東京では 今年７月、池袋に開店した書店「アクアハウス」ではさらに男性同伴の入店も 不可と徹底している。美男子小説やマンガを中心に女性誌や料理本など、女性 向けのメニューが並ぶ。店内には座読コーナーもあり、じっくり本を選べるの も特長だ。また、今年10月から京浜急行では品川〜弘前間の夜行高速バスに、 女性専用車「ノクターン号」を登場させた。狭いバスで片道約９時間の長旅だ が、女性だけだと「くつろげた」と好評だった。しかしどの女性専用エリアも 全面禁煙！女の喫煙者はどーすりゃいいの？愛煙家の私（女）も禁制かい！？ |
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