２）『ファッション・デザイナーのパワー』
　YSL、Dior、D&G、BALLYなど、元気の良さが目立つモードの情報をレポートし
　ていて気づいたのはデザイナーの持つパワーは絶大だという事。デザイナーの
　意志と才能によって発信されるメッセージは世界の人々の心をつかみ、新しい
　美しさで誰をも魅了する。日本でずっと人気を博しているブランドのPRADA、
　GUCCI、 Luis Vittonなども、クリエイティブディレクターの手腕によって不死
　鳥のごとく甦ったブランドなのだ。チームで仕事をしているのは当然だが、他
　のビジネスと比較して、ここまでダイレクトにひとりの人間の意志が反映され
　る業界という事実に気づくと、期待と不安が湧く。今、注目すべきは未だに勢
　いの衰えないトム・フォード(GUCCI、YSL)、ミウッチャ（PRADA）、そして、
　そのふたつを渡ってオリジナルブランドを立ち上げたニール・バレットなどな
　ど。時に、時代は戦争という不安を抱えている状況。この環境の中で、ファッ
　ションを担うデザイナー達はなにを思い、なにを発信するのだろう？


　６）『古くて新しいコンフォート・スタイルが旬』
　昨今、ファッション傾向として“コンフォート（心地良い）”をキーワードに
　した“ヌーボー（新しい）スタイル”が目立ってきた。秋冬コレクションでも
　人気のあったスウェット素材をコーディネイトし街を闊歩する女性が増えた。
　スウェットタイトのミニにスパッツや裾しぼりのジャージパンツを組み合わせ
　たり、股上浅いスウェットパンツにパンプスなど、部屋着感覚のオフスタイル
　をオンにするのが今年流とか。また、ジャージ素材に代表される“スポカジ(ス
　ポーツカジュアル)”をアレンジした、ラクチンでかわいい「ラクかわ」も話
　題だ。スウェットやパンツにスニーカーなどで全体的にゆったりシルエットが
　特徴。さらにコンフォート派が注目しているのが、なんと80年代オヤジ世代に
　流行したスポーツブランドのカジュアルスタイル、略して「おじカワ」。ニッ
　トシャツの胸についてる傘マークの“アーノルド・パーマー”やペンギンの
　“マンシング・ウェア”ね。こうしたカジュアルブームを受け、流行生地が安
　く手に入る日暮里繊維問屋街では、通称「ニポカジ(日暮里発信のヤングカジュ
　アル)」系激安ショップが、新たな流行発信基地として連日大賑わいとか。