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◇『墓地に呼ばれる』★ 場所は限定できないけど、学生時代のサークル仲間とミステリー・スポットの ある○○トンネルへ肝試しに行く途中、僕らは怪談話をしてのん気に笑ってい たんだ。深夜という時間のせいか、高速道路はメチャ空いていた。富士山を横 目で見ながら、ふと後ろから来る車が気になった。みんなも気がついているの か、車内は無言になっていた。その車はものすごいスピードであっというまに 僕らを追い越していく。すれ違った時、僕らは見てしまった。後ろのトランク から人間の手が出ていたんだ。車のライトに照らされてその白い手はヒラヒラ と、まるで僕らを誘っているようだった。「なんだ？あれは」運転席のＳ男は 跡を着いて行くつもりかスピードを上げた。「いやぁー！止めて、止めてぇ！」 後部座席のＫ子の絶叫でＳ男はブレーキを踏んだ。「なんだったん…！」言い かけて、全員が凍りついた。僕らは見知らぬ墓地の中にいた…。 |
