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◇『つきまとう生霊』★★★
久しぶりのデートで喫茶店に入った時、お水が3つ出されました。それをみた
彼は突然私に別れ話を切り出したのです。訳がわからず彼に問いただすと、彼
の奥さんが生霊になっていつも見張っているからだとか。私との交際がバレて
離婚話がこじれているというのは知っていました。でも生霊だなんて…と言う
と彼は右肩を出して見せるのです。そこには青黒いアザが出来ていて見た瞬間、
私は背筋が凍りつくような悪寒に襲われました。よく見ると彼の奥さんの顔に
似ている…。彼は「時々しゃべるんだよコイツ。“悔しい、悔しい…”って」
言葉もなく呆然とする私に彼は「すまない…」と言って、そのまま帰って行き
ました。彼を追いかけようと席を立ったとき、ウエイトレスがコーヒーを2つ
テーブルの上に置きに来たのです。ひとつは私の前に、もうひとつは彼が座っ
ていた席のとなりに…。
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