２）『つながりたい病への“出会い系”処方』
　不特定多数の人と接する場を求めて“誰かとつながりたい病”は、新たな出会
　い系産業の中でも蔓延中。例えば、いま街で賑わっているのがワークショップ
　的な美術品制作。きむらとしろうじんじん氏の「野点」は、参加者が絵付けし
　た茶碗を、その場でリヤカーにのせた窯で焼き上げお茶をたてるもの。「カラ
　ス板屋」は、小山田徹氏が拾い集めたガラクタで参加者がオブジェを制作。ど
　ちらも参加料は1000円前後。モノをつくることで自然と話もはずむ。また、出
　会いの宝庫・クラブやディスコも、個性的な内装で出会い効果ＵＰを狙う。竹
　芝のクラブ「TWO FACE」はフロアを見渡せるバーカウンター、密着度の高いソ
　ファ、下着ショップを設備。西麻布の「マジック」は寿司バーを併設。踊らな
　くても出会いを楽しめそう。さらに家の中でも出会いを？！海外ドラマ「フレ
　ンズ」等の影響か、若者に人気のルームシェア。HPでのルームメイト募集は手
　軽なだけに、もめごと必至？ゲーム「リモココロン」ではキャラ相手につなが
　りたい病を解消。プレイヤーは複数のキャラの人生を俯瞰。そしてそれぞれの
　様々な要望を満たすべく、キャラの行動を予測して神様的ちょっかいを出し、
　その反応を楽しめる。あなたならどの出会い系？


　３）『屋上が変わる』
　デパートの屋上のミニ遊園地にワクワクした人も多いはず。そんな屋上の楽し
　みが最近増えている。関西では、「アンブレラ」（大阪堀江）、「ブルパンキー
　ノ」（神戸三宮）、「ザ・ティーレストラン」（大阪大丸心斎橋店）などの屋
　上カフェが登場、隠れ家的雰囲気がウケている。また、以前もご紹介した蒲田
　東急プラザの屋上にナムコが開業した「ふれあいペットガーデン」や東急百貨
　店東横店西館屋上のフットサルコート「アディダスフットボールパーク渋谷」
　も話題だ。さらに、屋上は環境問題にも一役買いそうだ。清水建設の「屋上緑
　化システム」は、屋上にビオトープ（生物のための最小空間）をつくり、自然
　生態系を再現させる。このシステムを使った屋上には、アメンボなど11種類の
　虫が屋上の外からやってくるようになったとか。屋上緑化を義務付ける地区も
　あり、多くの企業が「屋上緑化システム」にビジネスチャンスを狙っている。
　エンタメ性や環境面などから屋上ビジネスの重要度は今後増していくはず。

　　　
　４）『不況・失業　辛い世の中の救世主はなに？』
　相変わらず日本は、大手企業が大量の依願退職者を求め、ますます失業率が高
　まる気配。そんなご時世、ストレスの多いサラリーマンや職を失った中高年達
　は“虚無僧”に惹かれ、愛好家が増えている。着物姿で尺八を吹きながら巡礼
　をするという行為が日頃の緊張感を解き、平穏な気持にしてくれるという。こ
　れにより、精神をリフレッシュし、再起をかける気持になるようだ。さて、す
　でにリストラから奮起し、店長始め従業員全員がリストラ経験者という居酒屋
　「りすとらん元気交差点」が東京鴬谷にある。魚のハラスを使った“リストラ
　恨み焼き（恨みをはらす）”といったユニークなメニューが多く、値段も手頃
　なことから、実際失業中のお客さんも多い。リストラ経験者の元気な姿を見て、
　自分も頑張ろう！と勇気づけられるようだ。また、同じ居酒屋でも店員が60才
　以上の退職者のみの「オアシスオブワールド 心の居酒屋」（埼玉・草加）では、
　注文以外にサラリーマンの悩みや相談を聞いてくれる。人生経験豊かな先輩た
　ちのアドバイスが、サラリーマンたちの心の支えになっているにちがいない。