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◇『おそるべし！韓国のビジネスパワー』 かつては、日本語や日本文化の輸入が全面禁止だった韓国。98年以降、映画や 音楽、文芸など日本文化を開放する動きが段階的に進み、８月に、CHAGE&ASUKA が日本語によるコンサートを行い、２万人を動員し成功を収めたのは記憶に新 しいところ。日本のファッション雑誌やＴＶドラマも紹介され、ソウル市街の 「新村」の延世大学近くには、「関西」「なにわ」と日本語で書かれた関西風 のうどんを出す店が林立、「うどん通り」が若者で賑わっているとか。こうし た動きと並行して、日本では空前の韓国料理ブームが到来。野菜をたっぷり使っ たヘルシーさと、辛いだけでなくあっさり系も多い点が女性に認知され、専門 店が急増。新宿には「春川ダッカルビ」という野菜や肉を鉄鍋で炒める春川地 方の郷土料理まで登場。コンビニには「豚キムチまん」（ローソン、サンクス） 「カルビロール」（セブンイレブン）、さらに大阪では、韓国食材の宝庫「国 際マーケット」の最寄り駅のＪＲ鶴橋駅構内で、パンダの回転焼き「キムチパ ンダ」（パンダファクトリー）なんつーのまで発見したぞ。 ▼ 食べ物ばかりじゃない。９月末にオープンした渋谷パルコ・クアトロの３、４ 階にある「東大門市場（トンデムン・シジャン）」は、まさにリトルソウル。 57ブースある店はそれぞれが自社工場直売方式。日本の最新トレンドを韓国の 工場に持ち込み、縫製して日本の売場に出すまでたった３日という早さがウリ で、商品はシーズンごとでなく１週間ほどの短いサイクルでクルクルと変わっ ていく。価格も革ジャケットが１万円、ウイッグが3900円と激安で、アパレル 業界ではユニクロなみの革命を起こしている。店員はみな日本語ペラペラの韓 国人。値切りやオーダーメイドもＯＫで、日本の地方の卸売業者までもが仕入 れに利用する盛況ぶり。こうした日本での韓国ブームには、映画『シュリ』の 110万人動員ロングランも大きく寄与していると見る。スピード感あふれるこの 快作は、「韓国はクール！（かっこいい）」という新イメージを見事に植えつ けた。本作を映画会社シネカノンと共に配給したアミューズは今、日韓共同の 映画製作や新人タレントの発掘、育成交流などのプロジェクトを進行中だ。 ▼ 日韓合同の動きも多い。『リング』のリメイク版を日韓合作で作った映画製作 ・配給会社のオメガ・プロジェクトは、韓国政府などとの共同出資で映画やア ニメに投資する基金を設立、ゲームソフトの共同開発も視野にある。バンダイ は韓国ＬＧテレコムと提携、画像ダウンロード事業を８月にスタート。ＩＴ産 業の面から言えば、韓国のベンチャー企業の成長ぶりはものすごく、政策で高 速インフラを整備して支援。圧縮技術や画像処理技術は日本の２年先を行くほ どで、コストも日本の４分の１と安い。特にオンラインゲームの売上げが20％ アップのほか、女性向けポータルサイトは激化しすぎて戦争状態。つまり国内 のベンチャー企業はすでに淘汰されつつあるというのが現状なのだ。だからこ そ、広告を入れる技術を開発したストリームウイズ、ネットカフェを高速で結 んでの映画上映構想を持つハーンソフトなど、日本市場を虎視眈々と狙う企業 は多いというわけ。ただこうした事業は日本のネット環境がネック。常時接続 が常識にならない限りむずかしい模様。ＩＴ後進国ニッポン、さあどうする？ |
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