１）『今年も求め続けたのは“癒し”』
　雅子妃殿下の御出産で嬉しい出来事はあったが、相変わらず景気も回復しない
　どんよりした１年だった。それを象徴するかのように、今年も癒し系の人やモ
　ノがヒットした。代表的な人物は、優しい笑顔の井川遥ちゃん。爆発的ヒット
　となった映画、『千と千尋の神隠し』も心を和ませた代表選手。ストーリー以
　上に、優しい色合いの画面と絵が大人の心を捉えたようだ。また、映画だけで
　なく絵本も大人の間で大変な人気だ。人気作家の江國香織や東野圭吾の絵本も
　出版されるほど。また、サラリーマンの心を捉えたのは、任天堂ゲームソフト
　「ピクミン」のテーマソング『愛のうた』。♪ひっこぬかれて〜戦って〜食べ
　られて〜♪なんて会社のためにしゃかりきに働いても、リストラになるかも...
　と思わず自分に当てはめてしまうらしい。他に盆栽を楽しんだり、山に自分の
　小屋を作るなど自然とのふれあいを求める人も増えている。優しい微笑みにふ
　れること、童心に戻って純真無垢になること、自然とたわむれ無心になるなど
　癒しを求めたこの１年。来年は力強さを感じることがありますように。


　２）『今時のお子さま教育』
　子育てに悩む母親達の心のケアをする民間組織「子育てアドバイザーネットワー
　ク」が来年から全国展開を開始。アドバイザーたちは、提携先の小児科に派遣
　され、母親達の強力な助っ人になるはず。このように生まれた時点から子供を
　取り巻く環境は一昔前とは異なり、より才能ある子供に育てるべく、習い事も
　変化している。横浜市港北カルチャーセンターでは、タップやフラメンコ、NHK
　文化センター光が丘教室（東京・練馬）では、手裏剣やビニール製のヌンチャ
　クを用いた「こども忍者塾」という講座が人気だ。これは人とは違ったことを
　身につけさせたいという母親の願いが影響している。また、家での遊び道具も
　ハイテク化しているが、バンダイは、お人形遊びをしながら英語の勉強ができ
　る「バイリンガルドール レミー」（１万2800円）を発売。さらに、17歳だった
　リカちゃんも「34歳」になって妊婦姿「マタニティ リカちゃん」で登場。私の
　世代からするとびっくり仰天だが、母親達の間では、性教育がしやすくなると
　好評だ。子供を育てる母親も子供関連事業もますます試行錯誤が必要なようで…。


　３）『西から東にくる流行』
　去年から続くコンサバブームに乗って、神戸発のファッションブランドが全国
　的に人気を広げている。シンプル服を好む東京の女の子たちにも、クイーンズ
　コート、ビッキー、クリア、Ｍ−プルミエ、プロフィールなどの神戸ブランド
　が人気。ラインや発色が綺麗なのと、男の子ウケがいいのがその理由のよう。
　そんな中、富士写真フィルムは、神戸発花柄マークで人気の東京ブラウス・ク
　レイサスと共同企画で人気カメラ「ネクシアＱ１」のクレイサスモデルを発売。
　ピンクの本体とケースにカメリアマークをつけて6000円。全国のクレイサスシ
　ョップで3000台を限定発売中。一方、食の世界では八丁味噌を使った味噌カツ
　や味噌煮込み等の“名古屋めし”が都内のデパ地下に続々進出。名古屋を本店
　とした居酒屋やカフェも進出し、いま名古屋の味が関東でも注目を集めている。
　奇抜な組み合わせや濃い味つけなど、他ではない個性がウケている理由か？今
　や流行は東京だけでなく、独特の文化を持つ地方から広がりを見せている。次
　の流行はどこから発信されるか要注目だ！