１）『一点(一人)豪華主義で活況の少子化市場』
　少子化だからこそか？一点（一人）豪華主義的に、子供向け市場が活況だ。バ
　ブル全盛時代を謳歌した世代の親たちは、子供の消費欲求に寛容であると同時
　に自らも楽しんでいる節がある。渋谷109-2に3/25開設される大規模な子供服売
　り場「ジュニアシティ」は、大人びたデザインがおしゃれな女児に人気のナル
　ミヤブランド。平均１万円前後のスカートなどを選ぶ母娘の買い物姿が目立つ。
　少子化市場の消費パワーに各業界が関心を寄せる。外食産業では、家族向けの
　アミューズメント施設内レストラン「キッチンパニック」（千葉市）や玩具で
　有名な「シルバニア森のキッチン」（吉祥寺店他）、食材が旬のオーガニック
　＆ナチュラルメニューの「エクリュ」（代官山）と子供に的を絞った話題店が
　続々開店。また、昨年12月ご生誕の皇室・敬宮愛子様ご使用と同型の、チャイ
　ルドシート「ロイヤルベビーシート」（コンビ・３万5000円）も登場。一般か
　らの問い合わせが多かったため製品化されたとか。かように少子化が消費ブー
　ムを起こしている日本だが、米国では子供向けプリペイドオンライン銀行が話
　題に。子供が現金を持たずに口座残高の範囲で商品を買うことが出来るという。
　日本では賛否両論だが、将来の有力消費者を狙い、業界のサービスは過熱する。

 


　２）『キーワードは「癒し＋食材」』
　不景気な今の日本で「癒し」を求めている人は多い。そんな層をターゲットに
　した新キャラクターが登場した。くたっとした力の抜け加減がかわいい「お茶
　犬」は、セガトイズとホリプロが「癒し」をキーワードに共同プロデュース。
　緑茶犬、烏龍犬など６種類。３月から商品展開開始、４月からはリーガロイヤ
　ルホテル京都のレディースプランのキャラクターにも決定。今後はCDデビュー
　などもする予定だ。また、「チーズ一家」は「たれぱんだ」で有名なサンエッ
　クスが昨年９月から韓国で先行発売し、今年１月に日本でも文具や雑貨などが
　発売開始されたキャラクター。ほのぼのとしたチーズ一家の表情に癒される人
　は多いだろう。こうした「食材」もののキャラクターが人気なのは「身近さ」
　が感じられるからか。近頃スーパーの魚売り場でよく耳にする「おさかな天国」
　という曲が主婦層に大ウケなのも、繰り返しによる刷り込みもあるが、この曲
　が魚を身近に感じさせ、思わず手にとってしまう効果を持っているからだろう。

 


　３）『「大衆への提供」から「個人の選択」へ』
　ネット時代を迎えて以来、情報や製品はますます多様化を求められ、ユーザー
　自身も自分だけに合うモノを欲しているのが現状だ。ドゥ・ハウスが２月にス
　タートした「はいめーる・net」は、８万人の登録者に対し、リアルタイム・オ
　プトイン「メール検索」を行うサービス。「今年スキーに行こうと思っている
　人」といったメールを会員に送り、返事があった人に企業情報を送るという情
　報発信法で、より高い効果を狙う広告サービスだ。グリーティングカードサー
　ビスサイトのBLUEPAGEは、申し込むと毎朝携帯やパソコンにメールが送信され、
　その着信音が目覚ましになる「目覚ましeカード」サービスを開始。シューズの
　ナイキは、好みに応じてオリジナルが作れるカスタムメードサービス「NIKE iD」
　（１万4500円〜）を始めた。池袋の喫茶店「ミルキーウエイ」では、「13星座
　パフェ」（780〜880円）といって星座別のパフェを13種類も用意。ストロベリー
　アイスを求肥(ぎゅうひ)クレープで包んだ射手座（800円）などが人気とか。ニ
　ーズを明確にすることで消費を促す作戦は、きっと今後も増えるだろう。